ウスバシロチョウの分布拡大

ウスバシロチョウというのは名前にはシロチョウとついていてもアゲハチョウ科の蝶で、年に1回出現します。
食草はムラサキケマンやジロボウエンゴサクなど。
1970年頃には生息地域も限られなかなか稀少な存在で、富士宮市付近では、当時まだ天守山地周辺でしか分布が確認されていませんでした。
年に一度の5月連休頃の出現期には、高校生物部の仲間とウスバシロチョウの採集のために稲子まで行ったのを憶えています。
このウスバシロチョウの分布拡大を生物部の大先輩清邦彦氏が著書「富士山にすめなかった蝶たち」に書いていらっしゃいます。この本が書かれたのは1988年のことで、当時すでにウスバシロチョウの分布域が富士山麓方面にどんどん広がっているという状況だったようです。
この分布拡大のメカニズムを清氏はこう述べていらっしゃいます。
・元々富士山麓の土地は乾燥したやせた土地であって食草のムラサキケマンが育ちにくい場所だった。
・耕作地化により水が引かれ、湿潤肥沃化したのでムラサキケマンが侵入。
・休耕地化により放置され、食草のムラサキケマンと吸密植物のハルジョオンなどが育つようになり、ウスバシロチョウが侵入。
・古い休耕地となると低木なども育ちウスバシロチョウの生息適地となります。個体数の増加から過密となり、新たな生息地を求めて拡散して行きます。
富士山麓のウスバシロチョウの分布は1983年には富士宮口登山道を越えて登山道の東まで拡大していたと言います。
それから24年も経った今では、一体どこまで広がったのでしょうね。
写真は登山道沿いにある篠坂の富士山さくらの園で平成19年4月30日に撮影したものです。
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Last-modified: 2010-08-10 (Tue) 19:39:57 (JST) (4802d) by admin