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 講というのは、宗教や経済などの目的達成のために組織された集団で、富士講富士山への登拝を目的に、先達といわれる富士山信仰の熱心な信者や登山経験豊富な人を中心に組織された集団です。

 江戸時代に富士講は各地に組織されましたが、一般的には、戦国時代末期から江戸時代初期にかけて人穴で修行したといわれる長谷川(藤原)角行を祖と仰ぐ、江戸を中心とした富士講のことをいいます。富士講は、江戸時代中期に村上光清と食行身禄の活動によって多くの信者を集め、江戸を中心に発展し関東一円に広まっていき、江戸八百八講といわれるまでになりました。幕府はその拡大を警戒して、講仲間を作ることや富士の加持水を病人に飲ませることを禁止したり、行衣を着て鈴を鳴らし祈祷をし護符を配ることを禁止したりなど、度々富士講の禁令を発しました。それだけ富士講が江戸の庶民に広まっていたともいえます。

 富士講では、富士登山をすることを目標にし、富士山に登ることによって、健康や幸せ、一家繁栄などの現世利益を得ることができるとされたので、多くの富士登山者がやってきました。しかし、角行が北口(富士吉田口)から登山したといわれ、食行身禄も北口七合目にある烏帽子岩で断食入定(死去)したということで、富士講の登山者の多くは北口から登りました。このことは、北口が江戸に近いということであったからかも知れません。

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富士講と人穴 anchor.png Edit

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 富士講の祖といわれる長谷川(藤原)角行は、永禄元年(1558)に人穴にやってきて、四寸角の上に爪先立って千日間の修行をし仙元大日神のお告げを受けたといわれる行者です。角行は、その後も人穴に籠もって修行を続け、各地を回っては仙元大日神の教えを人々に説き、正保3年(1646)に人穴で入寂したといわれています。

 角行後継の行者も、人穴で修行したといわれていますが、その多くは江戸を中心に活動し、富士講は江戸を中心に発展しました。しかし、富士講の人々にとっては、人穴は講祖の角行修行の地であり、角行が入寂した聖地でした。富士講信者は、富士参詣(登山)をすませると聖地人穴参詣にやって来ました。人穴御法家といわれた赤池家には、明治19年の一夏に170人ほどが宿泊したという記録が残されています。

 また、角行が入寂した人穴は富士講の人々にとっては浄土であり、御身抜(富士講の曼陀羅)に「極楽地獄此穴ニ有浄土門人穴」「人穴浄土門仏生」と書き残されています。富士講の人々は、人穴浄土に墓を建てたいと願い、講仲間の協力を得て碑塔を建てました。それが現在も人穴周辺に見られる200基にも及ぶ碑塔群です。

 碑塔は講毎に群を成した所があり、講の勢力を誇っているようにも見受けられます。また、富士山に何回も登ったという登拝記念の碑塔や、角行を祀る碑塔・角行二百年忌の宝篋印塔などもあります。

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富士山雑話 富士宮市文化課郷土資料館より


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Last-modified: 2010-07-24 (Sat) 22:04:44 (JST) (3373d) by admin
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